歴史のひずみ

中国帰国者の言葉を聞いた。
残留孤児2世で、8歳の時に家族とともに日本へ来た。
日本の生活になじもう、
そのために日本語を少しでも早く、美しく 発音できるように
一生懸命頑張った。
そんな中でいつしか「日本は優れているもの」「中国は劣っているもの」
という錯覚を覚え、自らの出自を隠すようになった。という。


幼い頃に帰国した同級生は、みるみるうちに日本語が上達し、
数年後には、日本で生まれ育った人と何ら変わりない青年に成長していた。
私はその姿を見て、
日本語が話せるように、生活に馴染めば 
それで良いのだと思っていた。


歴史が遺した傷跡は、まだ、癒えたわけではない。
国内で最も多く満蒙開拓団を送り出したこの土地で
学ぶこと、感じることは多い。


「ちがい」を愛し共に生きていくことが
強く求められる時代がきているのだろう。